北海道日帰り温泉の旅

 

平成24年10月14日

October 14, 2012

 

東川町 天人峡温泉 天人閣 浴場見返り岩

 

天人峡温泉は旭川からは、東川町経由で東神楽町志比内を通 り小一時間の距離です。旭岳温泉とは山岳地帯で隔たってはいますが、隣合う関係になります。

旭岳温泉までは山岳地域に造られた道路でやや難所が多いの に比べ、天人峡温泉への道路は緩やかな坂道でカーブが少ないと大きな違いがあります。

美瑛町俵真布から忠別ダム湖上流部に抜ける道路は地図上に はありますが、閉鎖されています。

観光シーズンには日帰りの訪問者も多く、最後のトンネル手 前に設けられた日帰り客用駐車場を利用することになっていますが、小さな温泉街中央、旧天人

峡グランドホテル下に設置されている公共駐車場も利用でき ます。羽衣の滝、敷島の滝へは最奥の天人閣グランドホテルが最も近いのですが、こちらの駐車

場だけを利用することは出来ませんので、注意が必要です。

 

日帰り客用駐車場からの光景は、どの季節に訪れても絶景で す。初夏には一番遅い桜を、冬には雪の下で眠りについた自然をと夫々違った姿を見せてくれる

でしょう。今回は紅葉の天人峡温泉でしたが、さすがに普段 の人出とは大きく異なり、温泉街を歩く観光客の姿を沢山眼にすることになりました。

 

 

 

 

天人峡温泉街の最奥部に天人閣はあります。温泉街とは言っ ても、天人峡グランドホテルが閉館して、現在は敷島荘、天人峡パークホテル、と天人閣で施設の全てです。

敷島荘も源泉掛け流しで湯も上質ですが、規模が小さいので 混み合う季節にはお奨めできません。パークホテルは安価で利用できますが、温泉重視派には不向きでしょう。

 

天人閣は地元資本が経営破たん後、本州資本が買収、大きな 期待もあったのですが、巨大な施設の一部が改修され施設の一部だけで営業が続けられているバブル期の

遺産的なホテルです。しかしながら、創業は旭川圏の開拓が 始まって間もない明治33年と、地域と共に生き抜いてきた老舗中の老舗。今回は明治の旅人になった気分

で訪問。明治以来変わらず湧出し続ける温泉を愉しむことに しました。

 

日帰 り入浴時間:12:00~17:00 日帰 り入浴料:1000円 大小貸しタオルつき


 



先回の訪問では閉鎖されていた和風浴槽が開放されていまし た。利用客が一人もいないので、これは絶好のタイミングと思ったのですが、ぬる湯でどうにも納得いきませんでした。

来館者の多い日だけ開放されているものかも知れません。

 

和風浴槽にも洗い場が設けられていますが、紅葉の季節であ るこの時期でも大浴場の洗い場が混み合ってはいなかったので使用している人はいませんでした。

 

 

 

見返り岩露天風呂

岩風呂の露天風呂に比べこじんまりしています。 岩風呂から続く水車露天風呂は浴槽の周りも広々として開放感があるのですが、こちらはちょつと残念です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

露天風呂から見た光景です。

 

こちらも露天風呂から見た忠別川。数年前の豪雨で氾濫、橋 が流され泊り客がヘリコプターで救出される事態もありましたが、現在は大規模な整備が完了しています。

 

忠別川対岸から自然湧出する温泉をパイプで引き込んでいま す。

 

以下の二枚は以前の訪問時の写真です。

ユニークな五右衛門風呂が置かれていますが、水風呂でし た。サウナがあるわけでもないので、利用価値があるのでしょうかね。

 

こちらが、メインの浴槽です。中央奥のドアの向こう側に和 風浴槽があります。 直ぐ奥に階段の付けられた浴槽もあるのですが、何回かの訪問で利用されていることはありませんでした。

 

加水、循環ろ過、塩素消毒なしの源泉掛け流しで利用されて いるようですが、施設の大きさの割りに源泉湧出量は少なめなのか時に期待に反することもあります。

今回の訪問では、紅葉シーズンで来客が多かったためか湯の 鮮度が期待どおりではなかったのが残念でした。筆者的にはやはり岩風呂がお奨めです。日帰りで

利用される場合は日によって男女振り分けがありますので事 前確認されると良いでしょう。筆者も今回は事前の確認をせず訪問して、失敗をしてしまいました。

 

岩風呂には温泉の飲用設備がありますが、浴場見返り岩では その設備を見かけなかったように思います。現在故障中のビーナス像がそれなのでしょうか。

 

 

天人峡温泉は明治30年に発見され、明治33年松山温泉と して営業が開始されたと記されています。東川町阿波団体と富山団体の入植は明治28年、

東旭川の屯田兵は明治25年入地ですから旭川圏の発展に伴 い大飛躍の約束された温泉だったのではないでしょうか。それにしても明治44年の旭川

からの交通は美瑛まで鉄道、その後徒歩で宇莫別、ペンケロ ウ、横牛、朗根内、志比内、そして忠別川沿いに温泉に向かうと言うとてつもない強行軍。

 

 

旭川近郊の、十勝岳温泉、白金温泉、旭岳温泉、そして天人 峡温泉の中で多分最も巨大な宿泊施設と思われる天人閣です。 バブルの崩壊とともに天人閣の明治以来の歴史は一旦閉じられま したが、

本州資本によって再建が図られ細々と源泉は守られていま す。ただ、通路には廃虚然とした未使用の部屋が続き空気も独特の感じを受けます。名湯の評価の高い温泉も施設の一部が打ち棄 てられて

いたり、故障個所の修復がされないままだったりと近代的入 浴施設を想像して来館した方はその落差に驚くかも知れません。

 

筆者にとってそれでも天人閣が魅力なのは、なんと言っても 岩風呂の大浴場です。滑らかな流線型の大きな浴槽に満たされた源泉はよほど沢山の人達が間違って訪れていない限り、世俗の喧 騒を

忘れさせてくれます。岩風呂に続く水車露天風呂も、開放感 は最高です。縁あってこのページをご覧になった皆様には是非岩風呂を利用できる訪問をご計画ください。


 

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